相続・遺言

相続放棄について

相続・遺言

こんにちは。

“美し国の行政書士”長谷川です。

いよいよ梅雨に入りましたね。

しばらくは、すっきりしない天気が続きそうです。

梅雨と言えば、紫陽花ですね。

家の入り口に植わっている紫陽花もだんだん奇麗に咲きそろってきました。

ということで、今回も相続についてのお話です。

1. 相続放棄とは

相続放棄とは、読んで字のごとく、相続を放棄することです。

そして、相続放棄をするには、一定の期間内に一定の手続きをすることが必要になります。

期間については、次のように定められています。

相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。

ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において、伸長することができる。

民法第915条1項

相続人は、相続の承認又は放棄をする前に、相続財産の調査をすることができる。

民法第915条2項

自分が相続人であることを知った時から3か月(熟慮期間)以内に、単純承認するか、限定承認するか、或いは相続放棄するかを選択することになります。

ここで、単純承認、限定承認についてザクっと説明しておきます。

1-1. 単純承認

単純承認は、被相続人の一切の権利義務を承継することになります。 

プラスの財産だけでなく、借金などの債務も一切です。

そして、熟慮期間内に限定承認や相続放棄の意思表示がなかったときは、単純承認したものとみなされます。

1-2. 限定承認

限定承認は、相続により取得した財産の範囲内で債務や遺贈を弁済することを留保して、相続を承認することになります。

単純承認だと、相続財産が債務超過のときは自己の財産をもって弁済することとなりますが、限定承認の場合は相続財産の範囲内に限定されるため、自己の財産には影響は及びません。

相続財産の状況がわからないときなど、相続財産から借金などの負の財産を弁済して、残りがあればそれを相続することができます。

一般的には、手続きが複雑なのと相続人の全員が共同でしなければならないためあまり利用されていません。

次に相続放棄の手続きについてですが、民法ではその方式と効力について次のように定めています。

相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。

民法第938条

相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。

民法第939条

家庭裁判所への申述以外の方法で相続放棄の意思表示を行ったとしても、相続放棄の効力は生じません。

そして、相続放棄をした者は、もともと相続人ではなかった者として扱われることになります。

2. 相続放棄の撤回

一度、相続放棄の手続きを行った場合、その後において撤回ができるかということについては、次のようになっています。

相続の承認及び放棄は、第915条第1項の期間内でも、撤回することができない。

民法第919条1項

一度、相続放棄の手続きを行い、それが受理されると、たとえそれが熟慮期間内であったとしても、「やっぱり、止~めた。」というわけにはいかないということです。

相続放棄によって相続人になったり、ならなかったりすることもあるので混乱してしまいますよね。

ただし、相続放棄の申述が家庭裁判所において受理される前であれば、取下げを行うことによって撤回は可能です。

3. 相続放棄が認められない場合

相続人が、単純承認をしたとみなされる場合は、相続放棄が認められなくなります。

単純承認したものとみなされるものとしては次のようなものがあります。

  1. 熟慮期間を過ぎてしまった
  2. 預貯金の解約・払い戻し
  3. 動産や不動産の名義変更
  4. 遺産の売却・処分・破損
  5. 遺産分割協議の参加
  6. 一定の価値がある遺産の持ち出し・隠匿 などなどです。

遺産の分割前における預貯金債権の行使により預貯金の払い出しを受けた場合は、遺産の一部の分割によりこれを取得したものとみなされ、相続放棄が認められなくなってしまいます。

ただし、葬式費用の払い出しについては認められる場合があります。

4. まとめ

相続放棄については、慎重に、確実に行いたいものですね。

相続放棄に関する相談や手続きは、弁護士さんや司法書士さんの職務領域になりますので、詳しくはそちらでご確認いただければと思います。

ということで、今回はこの辺で

では、また。 See you.

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