行政書士

行政書士の業務とは

行政書士

こんにちは。

“美し国の行政書士”長谷川です。

今日2月22日は「行政書士記念日」です。

「行政書士やってます。」と言うと、「それなら、抵当権の抹消をお願いします。」と言われること数回。

残念ですが、ということで司法書士を紹介させて頂いています。

今回は、そんなまだまだ認知されていない行政書士の業務についてのお話です。

1. 行政書士の業務

行政書士の業務については、行政書士法という法律で次ように定められています。

行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、電気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。)その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とする。

第1条の2

行政書士は、前条に規定する業務のほか、他人の依頼を受け報酬を得て、次に掲げる事務を業とすることができる。ただし、他の法律においてその業務を行うことが制限されている事項については、この限りでない。

一 前条の規定により行政書士が作成することができる官公署に提出する書類を官公署に提出する手続きについて代理すること。

二 前条の規定により行政書士が作成することができる契約その他に関する書類を代理人として作成すること。

三 前条の規定により行政書士が作成することができる書類の作成について相談に応ずること。

第1条の3

要約すると、

  1. 官公署に提出する書類(電磁的記録を含む)の作成及び手続きの代理
  2. 権利義務に関する書類の作成(代理人としての作成を含む)
  3. 事実証明に関する書類の作成(代理人としての作成を含む)
  4. 上記の書類の作成についての相談

行政書士は、前項の書類の作成であっても、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができない。

第1条の2第2項

さらに、

行政書士又は行政書士法人でない者は、業として第1条の2に規定する業務を行うことができない。ただし、他の法律に別段の定めがある場合及び定型的かつ容易に行えるものとして総務省令で定める手続について、当該手続に関し相当の経験又は能力を有するものとして総務省令で定める者が電磁的記録を作成する場合は、この限りでない。

第19条

つまり、

行政書士の業務は、上記の書類の作成・代理・相談業務から「他の法律において制限される業務」を除いた業務であり、このうち「定型的かつ容易に行える業務として総務省令で定める手続」を除いた業務が、行政書士又は行政法人でなければ行うことができない業務ということです。

具体的には、次の業務になります。

官公署に提出する書類の作成および手続きの代理

官公署(各省庁、都道府県庁、市区町村役場や警察署等)に提出する許認可に関する書類の作成、その作成に関する相談手続きの代理業務です。

権利義務に関する書類の作成

「権利義務に関する書類」には、主なものとして、遺産分割協議書各種契約書念書示談書協議書内容証明定款等があります。

それらの書類の作成とその作成に関する相談業務です。

事実証明に関する書類の作成

「事実証明に関する書類」には、実地調査に基づく各種図面類(位置図、案内図、現況測量図等)、各種議事録会計帳簿貸借対照表・損益計算書等の財務諸表申述書等があります。

それらの書類の作成とその作成に関する相談業務です。

それでは、行政書士では行えない「他の法律において制限される業務」とは何でしょうか?

また、「定型的かつ容易に行える業務として総務省令で定める手続」とはどのような手続きなのでしょうか?

2. 他の法律において制限される業務とは

「他の法律において制限される業務」とは、他士業の独占業務として法律に定められている業務で、次のようなものがあります。

  1. 「法律事件」である訴訟・調停に関して代理人としての書類の作成(弁護士法72条)
  2. 登記又は供託に関する手続きについての代理、法務局・地方法務局に提出し、又は提供する書類又は電磁的記録の作成(司法書士法73条1項)
  3. 「租税」に関し、申告書等の「税務署類」の作成業務(税理士豊52条)
  4. 労働・社会保険諸法令に基づく申請・届出書、審査請求書等や帳簿書類の作成業務(社会保険労務士法27条)
  5. 特許庁への出願書類・異議申立て等及び経済産業大臣への裁定請求書の作成業務(弁理士法75条)
  6. 国土交通省・法務局等や自治体に対して船舶・港湾・開運関係法令に基づく申請・届出・登記書類の作成業務(海事代理士法1条)
  7. 一定種類・規模の建築設計図書の作成業務(建築士法3条)
  8. 不動産表示登記の申請書・調査測量図書の作成業務(土地家屋調査士法68条1項)

弁護士と税理士については、詳しくは知らないとしても一般の方でも業務内容をイメージできると思いますが、その他の士業に関しては、あまり馴染みがないのではないでしょうか。(私見ですが・・・)

3. 総務省令で定める定型的かつ容易に行える電磁的記録とは

「総務省令で定める定型的かつ容易に行える電磁的記録」は、次の自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS)を利用した申請手続に限定されます。

  1. 日本自動車販売協会連合会が行う型式指定の新自動車の新規登録・新規検査及び車庫証明にかかる一定の電子的申請手続
  2. 日本自動車販売協会連合会及び日本自動車整備振興会連合会が行う登録自動車の継続検査の電子的申請
  3. 日本自動車販売協会連合会・日本自動車整備振興会連合会及び全国軽自動車協会連合会が行う軽自動車にかかる継続審査の電子的申請

4. 認知されないのには理由がある

ここまで見てきただけでも、行政書士の業務ってわかりにくいですよね。

行政書士の業務を理解しようとすると、各士業の業域を理解していなければならないわけですから。

もちろん、各士業としてはそれぞれの業域を知っていないと業際問題に発展してしまうこともありますが、私たち士業に業務を依頼してくる方にとっては、むしろ分からなくても当然のことだと思います。

ですから、依頼者が「○○したい。」「○○して欲しい。」といったときに、どこに相談していいかわからないというのが現状だと思います。

5. 国民の権利利益の実現に資する

行政書士の使命は、行政に関する手続の円滑な実施に寄与するとともに、国民の利便に資し、もって国民の権利利益の実現に資することです。

行政手続きをスムーズに行うための行政と国民の橋渡し的な存在です。

行政手続きに限らず、相談業務においても行政書士のみで完結する業務もありますが、他士業の協力がないと完結しないことも多々あります。

そういった意味では、行政書士は国民の権利利益に資するために他士業との連携が不可欠となります。

6. 身近な「街の法律家」

「○○したいけど、どこに頼んでいいかわからない。」

「困ったことがあるけど、どこに相談したらいいかわからない。」

そんなとき、気軽にできる相談窓口となるのが、行政書士です。

行政書士事務所の数は、全国に約5万1千件あります。全国に5万7千店舗あるコンビニには及びませんが、地域の住民にとってはとても身近な存在であるはずです。

法律に関することに限らず、何か相談事があるときに、真っ先に相談できる事務所「First Call Office」でありたいと思います。

7. まとめ

行政書士の業務は分かりにくい。

だから、「抵当権の抹消をお願いします。」ってことになってしまいます。

でも、それでいいのだ!

ということで、今回はこの辺で

では、また。 See you.

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