相続・遺言

遺言の方式

相続・遺言

こんにちは。

“美し国の行政書士”長谷川です。

前回梅雨入りしましたという話をしたばかりですが、今回は梅雨明けしましたってことになりました。

東海地方では、観測史上2番目に早い梅雨明けだそうです。

さあ、今年は長く暑い夏になりそうですね。

ということで、今回は遺言のお話です。

1. 遺言とは

自分が亡くなった後、自分の財産をどのようにしたいのかという自分の意思を最後に伝える手段が遺言です。

遺言を残すことによって、遺言者が亡くなった後、相続をスムーズに進めることができるようになります。

しかし、せっかく遺言を書いたとしても、それが法的なルールに則って作成されたものでなければ、無効となってしまいます。

そこで、先ずは有効な遺言の方式について説明します。

2. 遺言の種類

遺言には、大きく分けて普通方式の遺言と特別方式の遺言があります。

特別方式の遺言は、病気や事故により死が迫っている場合や伝染病の隔離病棟や航海中の船内にいる場合などの特殊な状況にある場合に行われる遺言の方式であるので、ここでは普通方式の遺言について説明します。

普通方式の遺言には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。

2-1. 自筆証書遺言

自筆証書遺言は、遺言の本文、日付、氏名のすべてを自筆で作成し、押印する遺言です。

ただし、財産目録を添付する場合は、その財産目録についてはパソコンで作成してもOKです。この場合でも各ページごとに署名と押印は必要となります。

自筆証書遺言のメリットは、他人に知られずに、いつでもどこでも、費用をかけずに手軽に作成できることです。

デメリットは、内容や方式が条件を満たしていない場合には無効となるリスクがあること、紛失して死後に遺言が発見されなかったり、誰かに偽造・改ざんされる危険性があるということです。

紛失・偽造・改ざんについては、自筆証書遺言を法務局に保管できる制度ができたので、この制度を利用すれば、そのリスクはなくなります。

2-2. 公正証書遺言

公正証書遺言は、公証役場へ出向き、2人以上の証人が立会いのもと、遺言者が公証人に遺言の趣旨を口述し、それを公証人が筆記して遺言証書を作成してもらいます。

その筆記した遺言証書を公証人が遺言者と証人に読み聞かせ、正確であることを確認した後、遺言者と証人が各自署名・押印します。

最後に、公証人がその証書が上記の方式によって作成されたものであることを付記し、署名・押印するという手順で作成される遺言です。

遺言者が公証役場へ出向くことができない場合は、出張してもらうことも可能です。

メリットは、公正証書の原本が公証役場に保管され、正本が遺言者に交付されることになるので、遺言書の紛失や偽造・改ざんのリスクがないということです。

一方デメリットは、公証人に作成してもらう、証人が必要となるなど手続きが簡単ではないことと、費用がかかることです。

2-3. 秘密証書遺言

秘密証書遺言は、遺言の本文はパソコンでの作成や代筆でもOKですが、自筆の署名・押印と日付が必要となります。

そうして作成した遺言書を遺言者が封筒に入れて、封印したものを公証役場で2人以上の証人の立会いのもと、公証人に自分の遺言であることを認証してもらう方式で作成される遺言です。

公証役場には、秘密証書遺言が作成された事実が記録され、証書は遺言者自身が管理することになります。

この遺言のメリットは、自筆作成が要件ではないので、自書できない場合でも署名さえできれば作成することができる。

あと、遺言の内容の秘密が守られることと公証役場に作成した記録が残ることです。

デメリットは、自筆証書遺言と同様に内容や方式が条件を満たしていない場合には無効になる。

公証人や証人が必要となるなど手続きが簡単ではないうえに、遺言書は公証役場では保管されないので、紛失や発見されないリスクがあることです。

3. まとめ

遺言の種類についてみてきましたが、それぞれにメリット・デメリットがあります。

遺言を残す目的は、無用な相続トラブルを防止することと遺言者の意志を死後においてスムーズに実現することです。

いずれの方式を選択するかはケースバイケースですが、折角作ったのに無効だったとか、発見されなかったとかにはならないようにしたいものですね。

ということで、今回はこの辺で

では、また。 See you.

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