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監理技術者等の専任要件が緩和 兼任のための8つの要件

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こんにちは。

“美し国の行政書士”長谷川です。

建設業が直面する担い手不足の現状や生産性向上のニーズに対応するため、2024年12月に建設業法の改正が行われ、監理技術者等の現場技術者の専任制度が見直されました。

その専任制度の見直しにより監理技術者等の専任要件が緩和されました。

今回は、現場技術者が工事現場を兼任するための8つの要件について解説します。

現場技術者の配置義務

建設業法では、建設工事の適正な施工を確保するため、建設業者には主任技術者又は監理技術者の配置が求められています

建設業者であれば、請負金額の大小や元請・下請にかかわらず主任技術者の配置が義務付けられています。

逆に、建設業許可を受けずに軽微な建設工事のみを請け負って営業する者については、主任技術者の配置は求められていません

特定建設業者が元請けとして総額5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)の下請契約を締結した工事現場については、主任技術者に代えて監理技術者を配置しなければなりません。

下請契約に係る金額の合計が5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円)の工事を元請として請け負う場合は、特定建設業許可が必要となります。

建築資材等の建築工事費の高騰に伴い、2025年2月1日から監理技術者の設置が求められる下請契約に係る金額が、4,500万円から5,000万円に、建築一式工事の場合は7,000万円から8,000万円にそれぞれ引き上げられました。

専任を要する工事現場

建設工事に配置することが求められる主任技術者又は監理技術者については、請負金額が一定金額以上の工事の場合に現場ごとに配置することとされています。

法改正以前は、公共性のある施設若しくは工作物又は多数の者が利用する施設若しくは工作物に関する重要な建設工事であって、請負金額が4,000万円(建築一式工事は8,000万円)以上の工事について、主任技術者又は監理技術者の現場専任が求められていました。

今回の改正により、請負金額が4,500万円(建築一式工事は9,000万円)以上の工事に引き上げられ、一定の要件に合致する工事に関しては兼任が認められるようになりました。

監理技術者等の専任工事現場の兼任要件

現場技術者の専任が求められる工事について、次の8つの要件を満たしている場合は、現場の兼任が認められます。

請負金額

その建設工事の請負代金の額が1億円(建築一式工事である場合は2億円)未満であること

兼任現場数

兼任できる工事現場の数は2現場以下であること

専任を要しない工事現場との兼任であっても2現場を超えることはできません。

工事現場間の距離

兼任できる工事現場間の距離は、1日の勤務時間内に巡回可能なものであり、通常利用する移動手段を利用して片道の移動時間がおおむね2時間以内であること

下請次数

元請業者から数えて、下請次数が3次を超えていないこと

連絡員の配置

各工事現場には、監理技術者又は主任技術者との連絡その他必要な措置を講ずるため営業所技術者の実務経験を有する連絡員を配置すること

一人の連絡員が複数の建設工事の連絡員を兼務することは可能であり、その建設工事への専任や常駐は求められていません。

施工体制を確認する情報通信技術の措置

監理技術者又は主任技術者が、遠隔から現場作業員の入退場を確認できるものとして建設キャリアアップシステム(CCUS)等の情報通信技術を利用していること

人員の配置を示す計画書の作成、保存等

建設工事を請け負った建設業者が、人員の配置を示す計画書を作成し、その工事現場に備え置き、その建設工事の目的物を引渡したときから5年間(住宅の新築は10年間)営業所で保存すること

人員の配置を示す計画書の記載事項は、次のとおりです。

  1. 建設業者の名称及び所在地
  2. 主任技術者又は監理技術者の氏名
  3. その主任技術者又は監理技術者の一日あたりの労働時間のうち週40時間を超えるものの見込み及びその実績
  4. 建設工事に係る請負代金の額、兼任する現場間の移動時間、締結された下請け契約の次数、連絡員の氏名・所属会社及びその建設故事に関する実務経験の内容、施工体制を確認する情報通信技術の措置、現場状況の確認のために設置した情報通信機器

現場状況の確認のための情報通信機器の設置

工事現場において確実に情報のやりとりができるように通信可能な環境が確保され、スマートフォンやタブレット端末等の情報通信機器が設置されていること

まとめ

現場技術者の現場の専任についてまとめると次のようになります。

  1. 請負金額が4,500万円(建築一式工事は9,000万円)未満の工事は兼任可。
  2. 請負金額が4,500万円(建築一式工事は9,000万円)以上、1億円(建築一式工事は2億円)未満の工事は、8つの要件を満たせば兼任可。
  3. 請負金額が1億円(建築一式工事は2億円)以上の工事は、従来通り専任。

ということで、今回はこの辺で

では、また。 See you.

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