こんにちは。
“美し国の行政書士”長谷川です。
いい天気が続いていますね。
昨日は、甥っ子に誘われておよそ20年ぶりの釣りに行ってきました。
カサゴ3匹、メゴチ2匹、ハゼ1匹とちょっと控えめな釣果でしたが、晩酌のお供として美味しく頂きました。
また、挑戦したいと思います。
ということで、
今回は、建設業許可をはじめ様々な許認可申請をするとき提出を求められる「登記されていないことの証明書」と「身分証明書」についてのお話です。
1. 建設業許可の欠格要件
新規で建設業許可を取得する場合や更新、業種追加をする場合には、欠格要件に該当していないことが要件とされています。
この欠格要件の中に、許可申請者やその役員等若しくは令第3条に規定する使用人が、「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者」「精神の機能の障害により建設業を適正に営むに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適正に行うことができない者」に該当しないことというものがあります。
この要件を証明する書類として、「登記されていないことの証明書」と「身分証明書」があります。
2. 「登記されていないことの証明書」とは?
略して「ないこと証明」と呼ばれたりしています。
この証明書で証明する内容としては、「成年被後見人、被保佐人とする記録が後見登記等ファイルにないこと」の証明です。
ここで成年後見制度について少し説明すると、
成年被後見人は、知的障害や精神障害又は認知症などにより常に判断能力が欠けている状態である方で家庭裁判所の審判を受けた方をいいます。
被保佐人は、障害の程度が成年被後見人ほどではないが、判断能力が著しく不十分な状態である方で家庭裁判所の審判を受けた方をいいます。
成年後見制度は、成年被後見人や被保佐人として後見登記されることによって、詐欺や悪徳業者から大切な財産を守り、本人が不利益を受けないように保護される制度です。
しかし、契約しても、成年被後見人であるということを理由に契約を取り消されてしまっては、安心して取引を行うことができませんよね。
この「ないこと証明」を取得するには、証明を受ける方の住所地、本籍地に関係なく全国の法務局・地方法務局の窓口へ申請すれば取得することができます。ただし、支局や出張所では取り扱っていませんのでご注意ください。
近くに法務局がない場合には、郵送により取得することができます。この場合の申請先は、東京法務局の民事行政部後見登録課になります。
また、代理で申請することも可能ですが、その場合は本人からの委任状が必要となります。
3. 「身分証明書」とは?
この証明書で証明する内容としては、「禁治産又は準禁治産の宣告の通知を受けていない」「後見の登記の通知を受けていない」「破産宣告又は破産手続開始決定の通知を受けていない」ことの証明です。
禁治産、準禁治産については、現行の成年後見制度に移行された平成12年4月以前の禁治産、準禁治産制度において心神喪失の常況にある者として裁判所の宣告を受けた者を禁治産者、心身耗弱者及び浪費者として裁判所の宣告を受けた者を準禁治産者といい、戸籍に記載されました。
「身分証明書」を取得するには、証明を受ける方の本籍地のある市区町村役場に交付申請することになります。
なかなか自分の本籍地を確認する機会は少ないと思いますので、自分の本籍地を知らなかったり、間違っていたりするケースがあります。こういった場合は、住所地の市区町村で本籍地記載の住民票を取得すれば、確認することができます。
「身分証明書」も郵送で申請することができますが、送付されるまでに通常1週間から10日ぐらいかかりますますので、特に提出期限のある更新申請の場合は余裕をもって手続することが必要です。
こちらも「登記されていないことの証明書」と同様に、代理で申請することも可能です。その場合は本人からの委任状が必要となります。
ちなみに、三重県の建設業許可の場合、「登記されていないことの証明書」の本籍地の記載がなくても、或いは間違っていたとしても、証明書としては有効です。
4. まとめ
・建設業許可を申請する場合、欠格要件に該当しないことを証明するため、「登記されていないことの証明書」と「身分証明書」の提出を求められる。
・「身分証明書」は本籍地のある市区町村に申請しなければ交付されない。
・「登記されていないことの証明書」も「身分証明書」も郵送によって申請することができるが、交付されるまでに日数がかかるので余裕をもって手続することが必要。
ということで、今回はこの辺で
では、また。 See you.
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