こんにちは。
“美し国の行政書士”長谷川です。
早いもので、今年もあと残すところ半月となりました。
本当に1年って早いもんですね。年をとった証拠ですね。
ということで、
今回は電気工事業者の登録・届出・通知についてのお話です。
1. 電気工作物の範囲
電気を供給するための発電所や送配電線、工場・ビル・住宅などの受電設備、屋内配線、電気使用設備などを総じて電気工作物といいます。
電気工事業者登録では、電気工事を行う電気工作物の範囲によって、登録に必要な要件や手続きが異なってきます。
1-1. 一般用電気工作物
電気事業者から600V以下の電圧で受電している場所にある電気工作物で、一般住宅や小規模な店舗、事務所などの屋内配電設備や比較的出力の小さい発電設備などがこれに該当します。
1-2. 自家用電気工作物
電気事業の用に供する電気工作物と一般用電気工作物以外の電気工作物で、工場やビルなどのように電気事業者から600Vを超える電圧で受電している事業場などの電気工作物がこれに該当します。
この内、登録が必要となるのは、発電所・変電所・最大出力500kW以上の需要設備を除く、最大出力500kW未満の需要設備が対象となります。
一般用電気工作物又は自家用電気工作物を設置し、又は変更する工事を電気工事といいますが、次のような軽微な工事や家庭用電化製品の販売に付随した工事のみを行う場合には登録は不要となります。
1-3. 軽微な工事
- 600V以下で使用する差込み接続器、ねじ込み接続器、ソケット、ローゼットその他の接続器又は600V以下で使用するナイフスイッチ、カットアウトスイッチ、スナップスイッチその他の開閉器にコード又はキャプタイヤケーブルを接続する工事
- 600V以下で使用する電気機器(配線器具を除く)又は600V以下で使用する蓄電池の端子に電線(コード、キャプタイヤケーブル及びケーブルを含む)をねじ止めする工事
- 600V以下で使用する電力量計若しくは電流制限器又はヒューズを取り付け又は取り外す工事
- 電鈴、インターホーン、火災感知器、豆電球その他これらに類する施設に使用する小型変圧器(二次電圧が36V以下のものに限る)の二次側の配線工事
- 電線を支持する柱、腕木その他これらに類する工作物を設置し、又は変更する工事
- 地中電線用の暗渠又は管を設置し、又は変更する工事
2. 電気工事業者の区分及び手続き
電気工事業者は、工事を行う電気工作物の範囲及び建設業許可の有無によって区分が異なり、その手続きも異なります。
2-1. 登録電気工事業者
一般用電気工作物或いは一般用電気工作物及び自家用電気工作物に関する電気工事業を営む者
営業所の所在地を管轄する都道府県知事(経済産業大臣)に電気工事業者登録申請の手続きが必要です。
2-2. 通知電気工事業者
自家用電気工作物のみに関する電気工事業を営む者
営業所の所在地を管轄する都道府県知事(経済産業大臣)に電気工事業開始通知書の提出が必要です。
2-3. みなし登録電気工事業者
建設業法による許可を受けて、一般用電気工作物或いは一般用電気工作物及び自家用電気工作物に関する電気工事業を営む者
営業所の所在地を管轄する都道府県知事(経済産業大臣)に電気工事業開始の届出が必要です。
既に建設業許可を受けている者が、電気工事業を開始する場合は届出になります。
登録電気工事業者が、新たに建設業許可を取得した場合は、二重規制を廃除するため、登録電気工事業者の「廃止届」とみなし登録電気工事業の「開始届」を同時に提出することになります。
この場合の建設業許可は、電気工事業の許可に限らず、他の業種の許可も含まれます。
2-4. みなし通知電気工事業者
建設業法による許可を受けて、自家用電気工作物のみに関する電気工事業を営む者
営業所の所在地を管轄する都道府県知事(経済産業大臣)に電気工事業開始通知書の提出が必要です。
3. 登録に必要な要件
電気工事業者登録に必要な要件は、主任電気工事士の設置と器具の備え付けの二つです。
3-1. 主任電気工事士の設置
一般用電気工作物に関する電気工事の業務を行う場合には、その営業所ごとに主任電気工事士を設置しなければなりません。
主任電気工事士となる要件は、次のいずれかです。
- 第一種電気工事士
- 第二種電気工事士で免状の交付を受けた後、電気工事に関し3年以上の実務経験を有する者
ここでいう実務経験とは、電気工事業者として登録された事業所における実務経験をいいます。
3-2. 器具の備え付け
電気工事を行う営業所ごとに、所定の器具を備えなければなりません。
- その営業所が、一般用電気工作物のみに関する電気工事を行う場合
- 絶縁抵抗計 2. 設置抵抗計 3. 回路計
- その営業所が、自家用電気工作物に関する電気工事を行う場合
- 絶縁抵抗計 2. 設置抵抗計 3. 回路計 4. 低圧検電器 5. 高圧検電器 6. 継電器試験装置 7. 絶縁耐力試験装置
4. まとめ
- 建設業許可がない場合において、一般用電気工作物に関する電気工事を行うときは、登録が必要
- 建設業許可がある場合において、一般用電気工作物に関する電気工事を行うときは、届出が必要
- 自家用電気工作物のみに関する電気工事を行うときは、建設業許可の有無にかかわらず、通知が必要
- 登録・届出には、主任電気工事士の設置要件と器具の備え付け要件がある。
- 通知には、器具の備え付け要件のみでOK
ということで、今回はこの辺で
では、また。 See you.
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