建設キャリアアップシステム

キャリアアップカードをレベルアップするには?

建設キャリアアップシステム

こんにちは。

“美し国の行政書士”長谷川です。

年が明けてから初めての投稿になります。

今年もよろしくお願いします。

今回は、資格を持っているし、ある程度の経験年数もあるのでキャリアアップカードをレベルアップしたいとお考えの技能者の方へレベル判定の手続きや判定基準について分かりやすく解説します。

1. キャリアアップカードとは

キャリアアップカードとは、建設キャリアアップシステムに登録した技能者に発行されるICカードのことを言います。

このカードには、技能者本人の氏名や住所に加え、加入する社会保険、保有する資格などの情報が登録されており、現場での入退場の際、カードリーダーにタッチすることで就業履歴として記録、蓄積されていきます。

建設キャリアアップシステムでは、技能者の能力に合わせてカードの色をレベルアップしていくことができます。

2. キャリアアップカードのレベル判定

キャリアアップカードには、白(初級技能者)、青(中堅技能者)、シルバー(職長レベル)、ゴールド(高度マネジメントレベル)の4種類あり、技能者の能力に合わせてカードの色をレベルアップしていくことができます。

出典:建設市場整備:【CCUSポータル】 能力評価制度について – 国土交通省 (mlit.go.jp)

CCUSの新規技能者登録の際、資格や経験についてもしっかり記入したのに白のカードが送られてきた。間違っているんじゃないか?と思う方もいらっしゃることでしょう。

CCUSに新規技能者として登録したときは全員が白のカードとなります。

カードをご自身の能力に見合った色にレベルアップしていくためには、レベル判定を受ける必要があります。

カードの色が変わることで、処遇の改善が期待されるようになります。

3. レベル判定の手続きは?

CCUSに登録されている技能者のレベル判定(能力評価制度といいます)の手続きは、実は、建設キャリアアップシステムでは出来ないのです。

建設キャリアアップシステムによる手続きのワンストップ化が進められていますが、現時点ではまだ出来ていません。

そのため、国土交通大臣が認定した評価基準に基づき、分野ごとの能力評価団体が技能者の技能と経験について能力評価を実施することになります。

カードをレベルアップするためには、分野ごとに能力評価を行う能力評価団体にレベル判定の申請を行うことになります。

申請は、基本的には技能者本人が行うことになりますが、技能者の所属事業所、CCUSに事業者登録された元請事業者又は上位の下請事業者であれば、技能者の同意を得て代行することができます。

能力評価の対象分野は、令和5年9月現在で41分野があり、それぞれの分野で能力評価基準が定められています。

評価分野能力評価実施団体名(申請先)
1電気工事(一社)日本電設工業協会
2橋梁(一社)日本橋梁建設協会
3造園(一社)日本造園建設業協会
(一社)日本造園組合連合会
4コンクリート圧送(一社)全国コンクリート圧送事業団体連合会
5防水(一社)全国防水工事業協会
6トンネル(一社)日本トンネル専門工事業協会
7建設塗装(一社)日本塗装工業会
8左官(一社)日本左官業組合連合会
9機械土木(一社)日本機械土木協会
10海上起重(一社)日本海上起重技術協会
11PC(一社)プレストレスト・コンクリート工事業協会
12鉄筋(公社)全国鉄筋工事業協会
13圧接全国圧接業協同組合連合会
14型枠(一社)日本型枠工事業協会
15配管(一社)日本空調衛生工事業協会
(一社)日本配管工事業団体連合会
全国管工事業協同組合連合会
16とび(一社)日本建設躯体工事業団体連合会
(一社)日本鳶工業連合会
17切断穿孔ダイヤモンド工事業協同組合
18内装仕上工事(一社)全国建設室内工事業協会
日本建設インテリア事業協同組合連合会
日本室内装飾事業協同組合連合会
19サッシ・カーテンウォール(一社)日本サッシ協会
(一社)建築開口部協会
20エクステリア(公社)日本エクステリア建設業協会
21建築板金(一社)日本建築板金協会
22外壁仕上日本外壁仕上業協同組合連合会
23ダクト(一社)全国ダクト工業団体連合会
(一社)日本空調衛生工事業協会
24保温保冷(一社)日本保温保冷工業協会
25グラウト(一社)日本グラウト協会
26冷凍空調(一社)日本冷凍空調設備工業連合会
27運動施設(一社)日本運動施設建設業協会
28基礎ぐい工事(一社)全国基礎工事業団体連合会
(一社)日本基礎建設協会
29タイル張り(一社)日本タイル煉瓦工事工業会
30道路標識・路面標示(一社)日本道路標識標示業協会
31消防施設(一社)消防施設工事協会
32建築大工全国建設労働組合総連合
(一社)JBN・全国工務店協会
(一社)全国住宅産業地域活性化協議会
(一社)日本ログハウス協会
(一社)プレハブ建築協会
33硝子全国板硝子工事協同組合連合会
全国板硝子商工協同組合連合会
34ALC(一社)ALC協会
35土工(一社)日本機械土工協会
36ウレタン断熱(一社)日本ウレタン断熱協会
37発破・破砕(一社)日本発破・破砕協会
38建築測量(一社)全国建築測量協会
39圧入(一社)全国圧入協会
40さく井(一社)全国さく井協会
41解体(公社)全国解体工事業団体連合会
3-1. レべル判定の要件

レベル判定を受けるための要件は、次の二つです。

1. CCUSの登録技能者(詳細型)であること

(簡略型)で登録された技能者は、保有資格等の情報が登録できていないので能力評価を受ける場合には、(詳細型)への登録変更が必要です。

2. レベル2~4に該当する就業日数及び資格等を有していること

各分野で定められている能力評価基準をクリアしていることが必要です。

3-2. 申請に必要な書類

能力評価申請には、次の書類が必要となります。(能力評価実施団体によって申請書類が異なる場合があります。)

1. 対象となる技能者の「CCUS技能者登録画面」の写し

2. 能力評価申請書兼キャリアアップカード(レベル2以上)交付申請書

3. レベル判定手数料 4,000円を指定口座に振り込んだことを証する書類(振込票の控え等)の写し

4. 経歴証明書(就業日数の経過措置を適用する場合)

就業日数の経過措置により、CCUSに蓄積されていない就業日数を対象とすることができます。

「就業日数」と「職長・班長としての就業日数」については、令和6年3月31日以前のCCUS利用開始前の経験について所属事業者等によって経歴証明された情報を就業日数にカウントすることができます。

この経過措置は、令和11年3月31日までに行う申請について適用されます。

5. 個人情報利用に関する同意書

申請書類の様式は、各能力評価実施団体のHPからダウンロードすることができます。

申請方法は、郵送、メール、WEBがありますが、能力評価実施団体によって申請方法が異なりますので、必ず申請先の能力評価実施団体のHPで確認して下さい。

4. レベル判定の基準

CCUSにより客観的に把握できる経験(CCUSに蓄積された就業日数)知識・技能(CCUSに登録された保有資格等)マネジメント能力(CCUSに蓄積された「職長・班長」としての就業日数やマネジメント能力を測る保有資格等)を評価します。

各分野ごとに能力評価基準が定められています。

例として、「内装仕上」の分野における能力評価基準を掲載しておきます。

出典:建設市場整備:【CCUSポータル】 能力評価制度について – 国土交通省 (mlit.go.jp)

5. まとめ

  1. キャリアアップカードは、レベル1からレベル4まで4段階あり、レベルアップすることができる。
  2. レベルアップするには、該当する分野のレベル判定を行う能力評価実施団体に対して能力評価の申請をしなければならない。
  3. レベル判定の要件としては、詳細型によりCCUS登録されている技能者であり、各分野に定める能力評価基準をクリアしている必要がある。

ということで、今回はこの辺で

では、また。 See you.

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