こんにちは。
“美し国の行政書士”長谷川です。
前回は、建設業許可申請の書類である「工事経歴書」の「主任技術者」の記入についてお話ししました。
今回は、主任技術者についてもう少し詳しい説明と専任技術者との違いについてお話したいと思います。
1. 主任技術者と専任技術者の違いは
主任技術者は、建設業者が建設工事を施工する場合に、工事の施工技術の管理をするために工事現場に配置される技術者のことをいいます。
一方、専任技術者は営業所に常勤し、建設工事に関する請負契約を適正に締結し、履行を確保するために技術的なサポートをし、工事現場に配置される主任技術者に対して建設工事の施工が適正に行われるように指揮監督する技術者のことをいいます。
つまり、専任技術者は営業所に常勤、主任技術者は工事現場に配置ということになります。
専任技術者は営業所専任でなければなりませんが、主任技術者は他の営業所が請け負った工事の現場であっても配置することができます。
資格要件については、専任技術者は、(イ)学校卒業+一定期間の実務経験(ロ)10年以上の実務経験(ハ)国家資格者等が要件となりますが、主任技術者も同様に専任技術者となれる要件が求められています。
2. 主任技術者と専任技術者は兼務できるか?
専任技術者と主任技術者の資格要件は同じなのでどちらも兼務できそうですが、専任技術者は営業所に常勤、主任技術者は現場に配置なので、原則兼務はできません。
ただし、次の要件をすべて満たす場合には、例外的に兼務することができます。
1.現場への専任が求められない工事であること
2.所属する営業所で締結した建設工事であること
3.所属する営業所での職務が適正に遂行できる程度に近接した工事現場であること
4.所属する営業所と常時連絡が取れる状態であること
ちょっとわかりにくいですが。
まずは、「専任が求められない工事」って何?と思いますよね。
3. 専任を求められない工事とは
公共性のある施設若しくは工作物又は多数の者が利用する施設若しくは工作物に関する重要な建設工事については、主任技術者の専任が求められています。
これは、公共工事だけではなく、民間工事も該当し、個人住宅・長屋以外のほとんどの工事が対象となりますが、これらのうち工事1件の請負代金の額が、4,000万円(建築一式工事の場合は8,000万円)以上の工事が主任技術者の専任を求められる工事となります。
つまり、個人住宅・長屋と工事1件の請負金額が4,000万円(建築一式工事の場合は8,000万円)未満の建設工事が、主任技術者の専任を求められない工事ということになります。
4. 主任技術者の「専任」とは
主任技術者に求められる「専任」とは、現場常駐を意味するわけではありません。
他の工事現場との兼務ができないという意味で、その工期においてはその工事現場にのみ常時継続的に従事することが求められます。
5. まとめ
・ 専任技術者は営業所に常勤する技術者、主任技術者は現場に配置される技術者なので、原則兼務はできない。
・ 例外として、専任技術者が所属する営業所において締結した請負金額が4,000万円(建築一式工事は8,000万円)未満の工事で、請負契約の締結等が適正に行われるような技術的サポートが可能な現場であり、常時その営業所と連絡が取れる状態であれば、主任技術者との兼務も可能である。
ということで、今回はこの辺で
では、また。 See you.
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