産業廃棄物処理業許可

産廃処理業を始めるには

産業廃棄物処理業許可

こんにちは。

“美し国の行政書士”長谷川です。

やっと秋らしい陽気になってきましたね。

今回は、産廃業を始めようかとお考えの方に、必要な許可の種類と許可の取得方法について説明したいと思います。

1. 産業廃棄物処理業許可とは?

産業廃棄物処理業とは、事業活動に伴って生じた廃棄物を排出事業者から委託を受け、収集・運搬・処分をする事業のことをいいます。

そして、産業廃棄物処理業を始めるには、「産業廃棄物処理業許可」を受けなければなりません。

2. 産業廃棄物処理業許可の種類

産業廃棄物処理の工程は、「収集運搬」「中間処理」「最終処分」の3つの工程に分かれます。

そして、「収集運搬」を事業として行うには「産業廃棄物収集運搬業許可」が必要となり、「中間処理」「最終処分」を行うには「産業廃棄物処分業許可」が必要となります。

取り扱う産業廃棄物の種類によっては「特別管理産業廃棄物収集運搬業許可」又は「特別管理産業廃棄物処分業許可」が必要となります。

2-1. 産業廃棄物収集運搬業許可

排出事業者から排出された廃棄物を収集し、性状を変えずに中間処理場又は最終処分場へ運搬するため或いは中間処理場から最終処分場へ運搬するために必要となる許可です。

収集運搬業には、収集した廃棄物を搬入先に効率的に運搬するため、一旦積替え・保管施設において廃棄物の種類ごとに分類するとともに、有価物等を選別する場合あります。この場合には、産業廃棄物収集運搬業「積替え・保管を含む」許可が必要となります。

2-2. 特別管理産業廃棄物収集運搬業許可

特別管理産業廃棄物とは、引火性廃油、強酸、強アルカリ、感染性産業廃棄物や廃PCB、PCB汚染物、廃石綿、重金属を含むばいじん、汚泥などの特定有害産業廃棄物などをいいます。

これらの特別管理産業廃棄物を排出場所から中間処理場又は最終処分場へ運搬するため、或いは中間処理場から最終処分場へ運搬する場合には、「特別管理産業廃棄物収集運搬業許岡」が必要となります。

2-3. 産業廃棄物処分業許可

産業廃棄物の「中間処理」「最終処分」を事業として行うには、「産業廃棄物処分業許可」が必要となります。

2-4. 特別管理産業廃棄物処分業許可

産業廃棄物のうち上記の特別管理産業廃棄物の「中間処理」又は「最終処分」を行うには「特別管理産業廃棄物処分業許可」が必要となります。

3. 資格取得方法

ここでは、産業廃棄物勝利業の中でも最も取得件数が多い「産業廃棄物収集運搬業許可(積替え・保管なし)」の取得方法について説明します。

産業廃棄物収集運搬業許可を取得するためには、いくつかの要件をクリアしていなければなりません。

そして、廃棄物の積卸しをする地域を管轄する都道府県知事に許可の申請をしなければなりません。

排出場所と運搬先である中間処理場又は最終処分場がある場所の都道府県が異なる場合は、それぞれの都道府県に申請することになります。

産業廃棄物収集運搬業許可(積替え・保管なし)取得のための5つの要件

1. 講習会の受講

許可申請をするに当たり、先ずは公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターが行う「産業廃棄物の許可申請に関する講習会(収集運搬過程)」を受講し、終了証を取得しておく必要があります。

この講習会は、申請者が法人の場合は、その代表者若しくは役員又は支店等の代表者、個人事業者の場合は、申請者本人又は支店等の代表者が受講対象者となります。

講習会の日程等については、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターのHPをご覧ください。

2. 事業計画の要件

事業内容が適法であり、計画的に実施されるために以下のことが求められます。

  1. 排出事業者から収集運搬の委託を受ける産業廃棄物の種類や性状が把握できていること
  2. 取扱う産業廃棄物の性状に応じて適法に収集運搬するために必要な車両・運搬容器等の施設が整っていること
  3. 運搬先の中間処理施設又は最終処分施設が産業廃棄物を適正に処理できること
  4. 取り扱う業務量に応じた施設や人員などの業務遂行体制が確保されていること 

3. 運搬施設の要件

収集運搬には、産業廃棄物を外部に飛散・流出させることなく中間処理施設や最終処分場へ運搬することが必要です。そのためには、運搬する産業廃棄物の種類に応じて最適な運搬車両と運搬容器を備えていることが必要となります。

運搬車両については、継続的に使用する権限が必要となるため自動車検査証の使用者が申請者と同一である必要があります。リース車両等で使用者が申請者と異なる場合は、リース契約書等で証明できることが求められます。

運搬容器については、産業廃棄物の性状に応じてドラム缶や大型コンテナ、フレコンバッグなどの容器を備えていることが必要となります。

4. 欠格事由の該当しないこと

法人、その役員、5%以上の株主、相談役、顧問、個人事業主、政令使用人のいずれかの者が次の欠格事由に該当する場合は、許可を取得することができません。

  1. 成年被後見人又は被保佐人
  2. 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
  3. 禁固以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
  4. 廃棄物処理法、浄化槽法、その他生活環境の保全を目的とする法令で政令で定めるもの若しくはこれらの法令(大気汚染防止法、騒音規制法、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律、水質汚濁防止法、悪臭防止法、振動規制法、特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律、ダイオキシン類対策特別措置法、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法)に違反し、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
  5. 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律、又は刑法(傷害罪、現場助勢罪、暴行罪、凶器準備集合及び結集罪、脅迫罪、背任罪)若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯し、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
  6. 廃棄物処理業許可又は浄化槽法に規定する許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者
  7. その業務に関し、不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者
  8. 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に規定する暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
  9. 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が1又は2のいずれかに該当するもの
  10. 暴力団員等がその事業活動を支配する者

5. 経理的基礎の要件

産業廃棄物収集運搬業を的確かつ継続的に行うことができる経理的基礎を有してことが必要です。

経理的基礎についての判断は各都道府県により異なりますが、三重県では、事業の開始に要する資金の総額及びその資金の調達方法、直前期における自己資本比率、当期純利益の3年平均、経常利益の3年平均によって判断されます。

法人においては、自己資本比率が0%未満いわゆる「債務超過」の状態で、当期純利益及び経常利益の3年平均が共にマイナスである場合は不許可となります。

4. まとめ

今回は、産業廃棄物処理業許可の種類と一般的な「産業廃棄物収集運搬業許可」の取得方法とその要件についてザクっと説明してきました。

三重県での詳しい申請方法については「産業廃棄物・特別管理産業廃棄物収集運搬業の許可申請の手引」に記載されていますのでご覧ください。

「忙しくてそんな時間はない!」とおっしゃる方は、許認可手続きの専門家である行政書士に頼んでみてはいかがでしょうか。

ということで、今回はこの辺で

では、また。 See you.

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